株が2万円を超えているから景気はいい、などと勘違いしていませんか。わが国の経済の実態と株価は何の関係性もありません。昔は株価は経済の鏡などといわれたものです。いまの株価は作られているのです。東京証券取引所、いわゆる東証1部の株取引の7割は外国人買い、すなわち外国の年金機構などの機関投資家なのです。彼らは利ざやを稼ぐことだけが目的ですから、株価の値動きが大きいほど儲ける機会が多いのです。残り3割が国内ですが、最も額が大きいのはGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)です。145兆円ある運用資金の24%、ざっと34兆円もの株を持っているのです。
知っておいてほしいのは日本銀行も上場投資信託(ETF)で日本株を大量に購入していることです。その額は17兆円に達し20年には20兆円に達すると見られています。また郵貯や公務員共済なども大量の株購入を続けています。このことから日本の株は官製相場と呼ばれているほどです。東証株価は内閣支持率に連動します。官邸の主が株価を気にしているときに日銀などが忖度して株購入しているのではという疑いは消えません。それでなくとも黒田日銀総裁は就任時に「出来ることは何でもする」と言ってのけた人物です。官製相場で高い株価を維持して、利益をあげているのは外人投資家です。日銀が多くの上場企業の筆頭株主になっていることに世界は唖然としているのです。異次元の金融緩和の名のもとに危ない金融政策を続ける日銀を厳しい目で見る必要があります。