四国新聞「愛しき日本」より

総選挙結果 「小池さんに感謝」自民大勝


四国新聞10月24日朝刊より

あわよくば政権交代をという「野望」を抱いた小池百合子東京都知事が「希望」の党を立ち上げ、安倍一強体制を苦々しく思う人たちは一時、大いに沸いたが、心ない一言で形勢逆転、多くの人々を「絶望」のどん底へたたき落とした。総選挙を簡単に総括するとこうなる。野党第1党の獲得議席が50議席台という異常さが野党弱体を証明している。自民党は圧勝し、安倍総裁の3期目突入はかなり濃厚となったが、この大勝利は野党分裂によるオウンゴールの結果だということを肝に命ずべきである。

希望の党惨敗の原因はなんと言っても小池代表の「排除」「さらさらない」の二つの言葉である。民進党から希望の党の公認申請にあたって「憲法改正」「安保法制」に賛成するという誓約書を提出させた。これがまるで「踏み絵」のように見えた。まず総選挙に勝つ、その後に政策的に合わない人々については意見を交わしたうえで対処する、そうすべきだった。都議選大勝のイメージが残っていたのか、小池代表の慢心からくる判断ミスだった。この言葉がなければ、立憲民主党ができることもなかっただろう。たとえば、東京比例区での得票を見てみると、希望、立憲民主を合わせると自民党の票を上回るのだ。

自民党の小泉進次郎氏は選挙後、テレビカメラの前で「小池さん、ありがとう、おかげで与党が勝ちました」と叫んだ。民進党と共産党が手を組んだら、大変なことになるかもしれないと一時は不安な表情だった自民党。小池、前原両氏の銅像でも建てたいぐらいの気分ではないか。

候補者擁立はしなかったが、民進党はまだ存在している。代表は前原氏で参議院議員はほとんど残っている。職員もそのままだし、政治資金も百億円前後は残っていると見られている。今回の総選挙で民進党のお金が希望候補のために使われた形跡はないし、職員も選挙にはあまり関わっていないようだ。すなわち希望の党の候補者は費用は自弁、スタッフも自前で揃えたというから、政権奪取をめざす政党の選挙とは言えない。連合も個別単産が支援はしても全体組織としては距離を置いていた。

すべては小池旋風の巻き起こることを前提にしていた。風が止まるどころか逆風が吹いた。希望の党候補者も党名を連呼しなくなっていた。当選した希望の党の候補者は民進党からの移籍組みばかり。小池代表が3千人もの人を集めた希望塾からした当選者は見当たらない。小池代表の地元の東京10区から出た若狭勝氏はなんと3位だった。

弱体化した野党の存在は政治全体の劣化につながる。これから起こることはまず、民進党代表の前原氏の代表辞任からすべてが始まる。希望の党の執行部も決まるが、小池代表が責任を取って辞任という可能性もある。都知事の座も場合によっては投げ出すかも知れない。そうなれば希望の党は雲散霧消となる公算大だ。今後の野党の動きは立憲民主党の枝野代表と民進党参議院議員会長の小川敏夫氏が軸となって野党再々編に向かうと見られるが、すんなりとは行くまい。

さて自民党。謙虚になどと言っているが、本音は呵々大笑だろう。これだけ勝てばもう、森友も加計も吹っ飛んだでしょう、と執行部の1人が片目をつぶる。この問題はだれかが嘘をついているか隠そうとしているかが問題なのだ。どこにもやましいところがない、と言うのなら、情報を公開すべきだし、安倍昭恵夫人を始め当事者は経緯を説明すべきである。それもできずに闇に葬られるようであれば、この国の統治機構は死んだも同然と言わざるを得ない。弱体化したといえども、野党にはそこを追求する責務があるし、メディアには報じる責任がある。

安倍内閣は吉田茂内閣、佐藤栄作内閣と並ぶ、あるいは追い越しそうな長期政権になっている。それに見合うだけの人気や信頼感が十分あるかどうかについては首を傾げざるを得ない面もある。今回の総選挙でも応援依頼が断然多いのは小泉氏で、安倍首相をはるかに越える要請があったようだ。総選挙後、テレビカメラに映る安倍首相の表情が少しも嬉しそうに見えないのは、その辺の国民感情を意識しているからではないだろうか。

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