山田ゆうすけのブログ

「耳」で歌うと上手くなる!(8)


=全日本こころの歌謡選手権=

話を2016年12月2日に開催された「全日本こころの歌謡選手権決勝大会」に転じます。全国から予選を2回勝ち抜いて任命された29名の「こころ歌大使」が海上自衛隊東京音楽隊の伴奏で歌を競い合いました。これにまさる生伴奏はなかったと思うくらい豪華なバンドでした。

45名のブラスバンドは、「軍艦マーチ」や「宇宙戦艦ヤマト」を演奏するには最高のオーケストラですが、歌の伴奏としてはちょっと勝手が違います。CDやカラオケマシンに入っている課題曲完成品の「カラオケ音源」と全く違う音、違う雰囲気に加えて、いわゆる、ストリングスアンサンブルと呼ばれるバイオリン、ビオラ、チェロなどの弦楽器が鳴らす「持続音:(ピアノのようなアタック音ではない)」という伴奏を、クラリネットやホルン、オーボエ、チューバなどのリード楽器屋や管楽器で代行して演奏されました。

これはとても美しいアレンジを義野裕明先生が腕によりをかけて書いてくれたのですが、やはりストリングス系の音に慣れている人にとっては微妙に感じが変わるので戸惑ったようです。何が変わるかと言うと、これらの楽器の「和音を奏でる」という役目の音の伝わり方が少し変わって、音程やリズム感の取り方もそれなりに適合させて歌わなければならないのです。

「耳」のいい人はこういう場合でもぜんぜん平気です(たぶん)。カラオケだろうが、ピアノ一本だろうが常に伴奏の音楽と自分の歌を鋭くキャチして、その時々のもっとも自分にいい形を歌いこなす力を持っているからです。一方、カラオケチャンピオン出身で「想定内音楽」しかやっていない人は困るわけです。一般に生伴奏は歌うのが難しく、テンポが遅い、速い、バンドが下手だ、音響が悪い、マイクが気に入らない、など「人のせい」オンパレードになりがちです。でも、日本の大衆音楽が全盛期であった1970年代から30年間の最初のころはカラオケなどなくテレビもライブもみんな生演奏でいい歌一杯歌っていました。