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「自分の作った曲をコンサートで歌うのになんでJASRACに許諾申請が必要なの!?」
このテーマは、けっこういろんな方からお問い合わせや反響があった。
誤解が多いようであるが、あくまでもその作家が①JASRACの会員であって、②管理を委託する作品届けをしている場合、つまり①と②が合わさった場合、たとえ自分の曲でも許諾申請が必要であるということである。
JASRACの会員でなければ、その必要はない。(もちろん、JASRAC以外の管理団体に作品を預けている場合は別である)
また、①JASRAC会員であっても、その作品を管理委託していない場合(②が成立していない)は許諾の必要はない。
したがって、アマチュアが作った作品を、自分達のライブで演奏することに何の問題も無いわけである。あくまでも、JASRACがらみの音楽活動をしているかどうかのケースでの注意点である。
もう一つ注意が必要な場合があり、インディーズ活動をしているアーティストに多い例である。
自分たちはJASRACに入会するほどの立場ではないが、ある事務所からピックされメジャー目指してCD販売や、ライブ活動を行っている。自分たちにはその意識は無いが、実は事務所に著作権を譲渡していて、事務所が出版社と組んでJASRAC作品届けをしているケースである。
これは、本人たちの意識が無いので、「なんで自分の作品を…?」の今回のケースにあたる。
つまり、事務所が仕切るライブは事務所が対応するであろうが、自分たちがフリーに勝手にやったとした場合、許諾されていない活動となってしまう。
現実には、マイナーなサイズの間はそれほど問題にはなってないケースが多いであろうが、少し売れてくるとよく契約違反のような形でもメディアを賑わす問題になってくる。
一方最近これら作家自らの「自己使用」に関して、JASRACからの使用料請求を受けなくて演奏できる規定が緩和された規約変更が発表された。
JASRAC広報
「③ JASRACに著作権をお預けいただいた後でも、著作者が自分の作品を使いやすいように、自己使用の範囲を広くしました。」
http://www.jasrac.or.jp/release/17/170713.html
これまでは、たとえ自分の作品であっても費用を超える対価を得る場合など、条件によって使用料請求が行われていた。しかし、今回の変更により、指定された利用規模を守れば、JASRACによる請求を受けずに使用できるというものである。
主な内容は、その活動(ビジネス)サイズによる。
演奏会などでは「入場料×会場定員数」の金額が400万円以下になること、複製物では1000枚、部以下であることと。インタラクティブ配信(ダウンロード、ストリーム配信などを指す)の場合は、リクエスト回数が1000回に達するまで、もしくは、配信期間3カ月まで。
などがその条件である。
これはアーティストサイドにとって歓迎すべき内容である。また、こうしたことの積み重ねで、少しずつ音楽家の地位向上+利便性、ひいては音楽文化の発展にうまく作用するようどんどん仕組み作りをブラッシュアップして行って欲しいと切望する。
ただし、あくまでもJASRACによく問い合わせながら進めるべきであろう。勝手にこの条件ならなんでもやっていいということではない。
IT総合情報ポータル「IT media」(2017.7.14)
『JASRAC、著作者が自分の作品を使用料請求なしに使える範囲を拡大 音楽出版者との契約がなければ対価を得てもOK』