世は歌につれ

宿、湯、雨が王道の“不倫”演歌｜世は歌につれ／田勢康弘

2022.04.01

by 田勢康弘
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23.宿、湯、雨が王道の“不倫”演歌

歌謡曲には「さざんかの宿」「北の宿から」「かくれ宿」など宿を舞台にしたものが少なくない。調べてみると高峰三枝子が歌った「湖畔の宿」（詞・佐藤惣之助、曲・服部良一「山の淋しい湖にひとり来たのも悲しい心…」）あたりが歴史的にもっとも古いようだ。

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「雨の宿」を歌う78歳のシンガー・ソングライター、新田晃也（YouTubeより）

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田勢康弘

自分がかなりの歌謡曲好きで、しかも相当歌を知っていると気がついたのは人生の折り返し点を曲がってだいぶ過ぎてからだ。本業は政治ジャーナリスト。仕事と歌は結びつかない。「島倉千代子という人生」（新潮社）を書いてからいつも「どうしてあなたが」と訝る人ばかり。長田暁ニさんという音楽の生き字引のような人に、随分歌を知っているね、とおだてられてから、のめり込んだ。一般社団法人心を伝える歌の木を植えよう会を発足させ、日本の歌の活性化を図ろうとしている。ジャーナリストという名刺の肩書きに作詞家、歌手がつけ加わった。