関西弁のニュアンスが出来るだけ出るように16音符でたたみ込み、徹底的に大阪・たかじんテイストで行こう!ということで、タイトルも「無いもの…」から「無いもんねだりやね」でもう一度作り直し、作詞者の佳代さんと、作詞アドバイザーの堀越そのえ先生に聞いてもらった。
前回聴いていただいたデモ音源、自分では結構いけてると思ったのである。
そして、最初に佳代さんから感想が来た。
「全体の感じはとてもしっとりとシンプルにピアノやギターを効かせる感じがバッチリ出ているいいアプローチだなと思いました。さすがです!」「ただ、最初のAメロ、A‘メロが上下に結構動いているのでやや言葉が入ってきにくい感じもします」
えっ?それだったらちっとも「さすが!」ではないじゃん。
今度は、そのえ先生からのコメントも届いた。
「無いもんねだりとしたところは素晴らしいし、このサビのフレーズは最高の出来だと思います!ただ、頭のフレーズはちょっと忙しすぎてなかなか歌うのが難しそうですね…」
なるほど、みんな全体の雰囲気とサビは気に入ったが、導入がイマイチと言うことらしい。
さっそく、仙台―千葉―東京を結ぶ電話会議開催して熱い音楽談義…。
佳代さんが具体的に指摘してきた。
「大阪弁のイントネーション(先生もご存知だと思いますが、大阪弁って何だか音楽っぽいですよね)を上手く活かして、メロディーをシンプルに出来たら、聴いた時にもっと言葉が入ってくるのではないかな。と思いました。コードも、二拍ずつ動くとどうしてもメロディーが動くので一小節引っ張っちゃうとか。。」
そうか、16分音符の刻みではなく、メロディが上下に忙しく動くことに加えて、コードワーキングがコロコロ変わるために難しい歌になっているわけなのだ。
「じゃあ、もっとフラット、平坦メロの繰り返しでいいのかもね。そしたらコードもあまり動かさなくても済むし…」
「そうかも、そうかも!」関西人みたいなお二人の繰り返し賛成コールがスマホに響いた。
「あと、サビは少し間延びしてる感じがしたので、歌詞も含めコンパクトにした方が良いかな。」
キーワードをカツンと打ち込むような感じの方が、説得力があるかな。と直感的に思いました。色々生意気言って申し訳ありません。」佳代さんの意見も良くわかる。
そのえ先生がコメントした。
「Aメロはそういう方向で改善するとして、〈無いもんねだりやね〉の言葉とメロディのはまりが素晴らしくマッチしてる曲ですので、その後はもっとシンプルに、もう少し詞を短くして、このタイトルフレーズを印象に残す作りの方が良いように思いました。」
なるほど、サビはコンパクトにという方向で行こう。
それでは今回はまず出だしのA、A’メロをもう少し歌い易くすることから始めた。
後半はまだ前回のままであるがまずは1コーラス聴いていただきたい。
頭がだいぶんスッキリしてきた分、サビ以降のもたつき感が強く聴こえるかもしれない。
無いもんねだりやね (3)
佳代
「久しぶりやな。元気しとったん?」
13年ぶりに会うたあきちゃん
マシュマロみたいな可愛さは 同じやけど
すっかりママの顔に変わっていた
「6歳と10歳の息子に怒鳴ってばかり
旦那は稼ぎが無いのに デカい面やし
自由がある よっちゃんが ほんま 羨ましい」
そんな言葉がチクリと胸に刺さる
無いもんねだりやね うちもあんたがほんまに羨ましい
自由なようでそうではないんやよ
私は私で不安で 酒を煽ってる
無いもんねだりやね 隣の芝生を覗いては
みんな「自分」を探して生きている
何してるんやろうな 10年後のうちら
こうして歌つくりは少しずつ形が出来上がってくる。
最後の出来上がりが楽しみである。