ブレスでアクセントをつける!その3『花』
バラードの特に優しい感じの曲こそブレスが大切でかつ難しい。
課題曲の13番目に入っているMILLEAの『花』を見てみよう。
楽譜協力:「月刊歌の手帖2016年8月号」
最初の4小節、「花は色づき」の導入部をいかにしっとりと歌うか、これは必ずしも優しく弱く歌うということではない。最初の「はなは」の「は」、そして「ひとは」の「ひ」にアクセントをつけて言葉の粒立ちを良くし、それでいてしっとり囁くように歌うか。そのためにはここもブレスポイントが重要になる。
「はなは」の「は」と「ひとは」の「ひ」の直前に、素早くかつ音を抑えて息を吸い込み、言葉にして軽いアタック感をもって発生することがポイントである。
MILLEAの歌を注意して聴いてみよう。
それぞれの言葉の頭をさりげなく、それでいてアクセントをもって次のブレスまで一気に歌っている。優しくではあるが決して弱くは歌っていない。彼女の歌の持つ暖かくてみずみずしいところは、この息継ぎのうまさも関係していることを見逃してはならない。