2019年4月16日(火)長崎県庁の記者クラブで、「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産登録記念応援実行委員会」の実行委員長、田勢康弘法人代表、山田ゆうすけ事務局長と桜井すずめ(長崎市出身こころ歌大使)が出席して、同実行委員会が推進する世界遺産のPR活動に、新たに課題曲となった「海があまりに碧いのです」をイメージソングとして採用、各地でプロモーション活動することの宣言記者会見を行った。
会見にはKTN(テレビ長崎)をはじめ、長崎新聞や、読売、毎日など多くのメディアが記者会見場に集まった。
桜井すずめは、「第1回こころ歌創作コンテスト」でこの作品を応募し作曲賞をゲット。また、これを歌うボーカルオーディションにも合格してこの席に座るチャンスを掴んだ。
この「第1回こころ歌作詞/作曲コンテスト」に『こころ歌創作大賞』としてこの作品が決まったのが2018年の4月。そして、その直後に長崎の潜伏キリシタン関連遺産が世界遺産の指定を受けるという奇跡のようなドンピシャのタイミングに本人はもちろん関係者もびっくりした。
作品の作詞は田勢康弘代表が、「清志郎」のペンネームで担当した。
「遠藤周作の小説「沈黙」の文学碑が長崎の外海の海を見下ろす出津文化村の丘にある。そこに「人間がこんなに哀しいのに主よ海があまりに碧いのです」と記されている。田勢代表は、最高の宗教小説を題材にこの運命の出会いのような機会に、一気に詞を書いた。
桜井すずめの描く「静」と「動」を折り混ぜたダイナミックで美しいメロディと作詞家清志郎の書いたカクレキリシタンの哀しい物語を彼女自身の感性で歌いあげる長崎の物語。
その日の夕方18時30分より、「長崎ANAクラウンホテル」で150名のお客様を迎え、「海があまりに碧いのです」の発表会が行われた。
ここでは、田勢代表も特別公演で参加し、
「作曲部門での入賞作品が桜井すずめさんの曲でした。メロディに薄い字で歌詞がついていました。たしか五島列島の隠れキリシタンに関する詞でした。作詞家としての私の任務は、入選作の曲のメロディに言葉をつけることでした。ただ、応募者が長崎の人、テーマが隠れキリシタンとあっては私は冷静ではいられませんでした。
遠藤周作が大好きな私は、前から外海の海を見下ろすとここんなに哀しいのに主よ海があまりに碧いのです」。残虐な拷問を神はなぜ止めようとしないのか。なぜ神は沈黙しているのか。これが小説「沈黙」のテーマであり、カトリック教徒遠藤周作自身の心を写し出したものだと思います。この小説には世界のカトリック団体がクレームをつけるということもありましたが、いまではキリスト教文学の代表的作品と評価されております。「海があまりに碧いのです」という素晴らしいフレーズをなぜ誰も歌にしないのか。ずっとそう思っていました。すずめさんの曲が私の背中を押してくれたのです。タイトルが決まっていたので、この歌を書くのに15分くらいしかかかりませんでした。私がこの歌で言いたかったのは3番の歌詞に入ってます。」「長崎の鐘 天空高く鳴り響く 目と心で祈る平和」と書き込みました。ここにあえて長崎の鐘を入れました。長崎にはたくさんの歌があります。私はその中でもこの歌、サトーハチロー作詞古関裕而作曲藤山一郎が歌った「長崎の鐘」が、最高の楽曲だと思います。長崎の鐘のような歌を書きたい。長崎の鐘がなければ海があまりに碧いのですもなかったと思います。・・・・
すずめさんは大変音域の広い人なので、この曲は高低差の幅が美空ひばりのみだれ髪とおなじという相当に難しい歌になりました。私たちのコンサートですずめさんが出られないときは作詞した私がこの歌を歌わなければなりません。来週早速四国の香川県ですずめさんの代役をつとめてまいります。」
と、熱く講演を行い、桜井すずめの後押しをした。
会場では、遠藤周作も小節のきっかけとなったという長崎16番館の本物の「踏み絵」と「鐘」の展示がされ、この歌との3点セットで力強くプロモーションすることになった。
今後駅や港の待合室、各観光名所でこの歌がイメージソングとして流れることを期待して、力強く実行宣言が行われた。
2019.4.26 毎日新聞掲載されました。
世界文化遺産 潜伏キリシタン関連遺産、応援歌が完成 「長崎を知るきっかけに」 /長崎
https://mainichi.jp/articles/20190426/ddl/k42/040/239000c