森友学園問題は3月23日、国会での証人喚問で最大のヤマ場を迎える。
これまで「参考人」としての国会招致を拒んできた自民・公明の与党が、一転して「証人喚問」に応じることになった。出席を拒んだり、虚偽の発言をすれば刑事罰が加えられる証人は、参考人とはまったく違う。かつてロッキード事件で証人として招かれたある民間企業の経営者は、極度の緊張で宣誓書への署名の際に手の震えが止まらなかったことがある。
証人喚問に応じる理由について自民党の竹下国対委員長は「総理の名誉にかかわる発言があったから」と説明している。「名誉にかかわる発言」とは籠池理事長が国会議員団に「安倍昭恵夫人を通じて安部総理から100万円の寄付をもらった」と述べたことである。安倍首相も夫人も強く否定しているので、証人喚問ではこの点が最大の焦点となる。
籠池氏にインタビューしたジャーナリストは「籠池氏は7つ爆弾を持っている」と発言している。何が飛び出すかわからないと首相サイドも神経をとがらせている。喚問の日時を23日午前としたところにそれがにじみ出ている。当然、テレビの生中継を多数の国民が見ることになるが、できるだけ視聴率を下げたいとWBCの決勝戦の日時にぴたりと重ねたのである。もし侍ジャパンが準決勝で敗北すれば、この目論見は崩れてしまう。
少し前に籠池氏の記者会見に「南スーダンからの自衛隊PKO部隊の撤収」の発表をぶつけたことがある。あまりにも姑息な対応としか思えない。準決勝戦で勝利して決勝戦に進むことを首相官邸ぐるみで祈っている姿など、あまり想像したくない。