WBC野球で日本代表が決勝に出られなかったため、森友学園の籠池理事長の証人喚問を参院、衆院と全部ネット中継で見た。野球とぶつければ視聴者は減るだろうと目論んだ与党は、計算違いだったろう。それより誤算だったのは籠池という人物の胡散臭さを印象づけようとしたが失敗したことだ。
すべての応答を聞いてみてびっくりしたのは、籠池氏の発言に説得力があることだ。あの受け答えと表情から、嘘をついているようには思えなかった。真実のみにしかないディテールの持つ力がある。
例えば安倍首相の昭恵夫人が「安倍晋三からです」と封筒に入った100万円の寄付金を渡したかどうかの問題。首相サイドは全面否定し、お付きの公務員が2人ついていてトイレ以外には夫人が1人になることはないので渡せるはずがない、と。これに対して籠池氏は「昭恵夫人が人払いをして2人だけになり、そこでいただきました」と説明。帰りに見送ったあと5分ほどでメールがあり、このことは内緒にしてほしいと頼まれたと述べた。
なかなか説得力がある。
また核心の国有地の値引きや大阪府の審議会の決定などについてもはっきりと政治的な動きがあったと明言し、具体的に声かけしてもらった国会、府議会議員の名前を数人上げた。聞いた印象としては質問者よりも答える籠池氏の方に真実味が感じられた。
政府与党サイドも、絶対、というなら関係者を参考人で招致してただすべきだ。それにしてもこの騒ぎの最中にも講演している昭恵さん、国民に説明する必要があると想う。何も言わないなら籠池氏の方が真実だったと思わざるを得ない。