愛媛県今治市に新たに岡山理科大の獣医学部をつくるという加計学園問題は、思わぬ方向に発展しそうな気配である。「官邸のトップレベルのご意向」などと記された文部科学省内の文書が出回り、官邸サイドは「怪文書のようなもの」と一蹴してきたが、最近まで文科省のトップだった前川喜平前事務次官が「私の手元にあるものと同じで、文書は本物」とインタビューで断言した。官邸サイドや自民党内では、そもそもこの文書をリークしたのは前川氏だとして、牽制するためか読売新聞に前川氏が出会い系の店に出没しているという記事が載った。リークは天下りあっせん問題で責任を取らされ引責辞任した前川氏の報復ではないかと噂になった。読売新聞の記事は官邸の情報提供と見られており、官邸と前川氏の間で報復合戦が続いている。安倍政権に厳しい朝日新聞、TBSテレビが前川氏にインタビュー、読売新聞などが前川批判を強めるなど、メディアの姿勢が報道ぶりにそのまま表れている。
厄介な話になったと永田町ではひそひそ話の種になっているのは前川氏の実の妹が嫁いだ相手が中曽根弘文元外相だということ。中曽根氏は中曽根康弘問題首相の長男。前川兄妹は前川製作所ファミリーである。憲法改正問題を考えると安倍首相としては中曽根御大とは喧嘩したくない相手だ。成り行き次第では憲法改正にも影響が出て来そうだ。
四国新聞「愛しき日本」より