「世は歌につれ」/歌謡曲ルネサンス
15.校歌 その2
中学生や父兄、先生方、町の偉い人たち。いろいろな人からどんな校歌がほしいかとヒアリングした。
いろいろな注文がついた。「基本的にはおまかせしますよ」といいながら一つだけ、と言って具体的な希望を述べる人もいた。結局は任せるといっても任せてくれてはいないのだな、と思った。
それからいろいろ考えた。そうだ、自分が一番多感だったころは中学生のころだ。あの当時の自分を励ますつもりで書けばいいのではないかと考えた。
次にそれほど奇をてらわずにそれでいてほかにはない校歌にしたいと思った。ほかにはない、その一つは校歌に題名をつけることだった。
「白鷹中学校校歌 友よ」とした。学ぶ上で先生の存在が大事なことはわかりすぎるほどだ。だからあえて「友よ」にした。
つぎに考えたのは「do for others」という英語を入れることだ。果たしてメロディになじむだろうか。賛成してくれるだろうか。
結局、英語はやめることにした。次の世代、すなわち60年前、中学校に入った自分への応援歌にどういう言葉を入れるかを毎日考え、煮詰めていった。一番入れたかったのは「目を世界に心ふるさと」というフレーズである。
白鷹山からの眺望(山形県白鷹町)