「世は歌につれ」/歌謡曲ルネサンス
20.歌い手遍歴 その4
正式な名称は「第1回北米カラオケ選手権大会」だった思う。
日本航空主催のカラオケ大会が開かれるという情報に日本人社会は色めき立った。
プレス代表で参加しようということになった。団体、個人、両方で優勝者が決まるという。個人優勝の賞品はカップのほかにニューヨーク・東京ビジネスクラス往復チケット(ただし1人分だけ)。
FテレビのN君、NテレビのM君と私。
毎晩、だれかの家に集まって練習した。団体優勝めざして。ただ歌うだけではつまらないので、いろいろ演出を考えた。
まず、3人がそれぞれ色違いのタキシード姿で歌う。私は白に黒のサングラス。手に赤いバラの花。
2番目に歌うN君は梅沢富美男の「夢芝居」(小椋佳作詞作曲)「恋のからくり 夢芝居 台詞ひとつ忘れもしない」。
この歌に合わせてぼくとN君が着物姿で踊ることにした。
踊り終わったところで早替えして、ぼくがタキシード姿になる。
このとき帯を引っ張るとぼくがくるくる回って洋装に、というので何度も練習した。
大会本番のタキシード姿