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「世は歌につれ」/歌謡曲ルネサンス
47.出会えた人出会えなかった人 清水節子
名はそれほど知られていないが、とてつもなく心に響く歌を歌う歌手が、全国にたくさんいる。
それぞれがそれぞれの地域では大スターなのである。そういう歌い手を見つけるのが僕の趣味のようになってから随分経つ。
清水節子を“見つけた”ときは、体が震えた。小林旭の「落日」(作詞:川内康範 作曲:北原じゅん)「うらぶれこの身に 吹く風悲し 金もなくした 恋もなくした」旭のハイボイスと対照的な低音である。ぞくぞくするような歌い方で、ほかにもたくさん「男唄」を歌っている。
五木ひろしのオリジナル「裏通り」(作詞:藤田まさと作曲:遠藤実)「表通りをお陽さまに はじき出されて裏通り」がいい。
ヨコハマのライブを聴きに行った。たくさんの熱心なファンに囲まれて、男唄から女を歌った歌「女の砂時計」(作詞:紙中礼子作曲:西つよし)「冷たい指の女はよ 心ぬくいと抱いた男(ひと)」まで情感たっぷりに歌う。
全日本こころの歌謡選手権大会の課題曲を歌ってもらいたかったが、事情で実現しなかった。でも、いつかは、と僕はまだ諦めていない。あの声が忘れられないのだ。