世は歌につれ

残像から「ちあき」が見えますか｜世は歌につれ／田勢康弘

2022.06.01

by 田勢康弘
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25.残像から「ちあき」が見えますか

2年前にも書いたがもう一度ちあきなおみを書く。ちあきなおみが人前で歌わなくなってから30年が過ぎた。1992年9月11日、夫の郷鍈治が亡くなった日から、「歌手ちあきなおみ」は姿を消し、この世のどこかで瀬川三恵子として静かに暮らしているはずである。今年（2022年）9月17日には満75歳になる。

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https://stoica.jp/columns/another-day_another-song/68

1992年、『愉快にオンステージ』で「ねえあんた」を歌うちあきなおみ（YouTubeより）

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https://stoica.jp/columns/another-day_another-song

田勢康弘

自分がかなりの歌謡曲好きで、しかも相当歌を知っていると気がついたのは人生の折り返し点を曲がってだいぶ過ぎてからだ。本業は政治ジャーナリスト。仕事と歌は結びつかない。「島倉千代子という人生」（新潮社）を書いてからいつも「どうしてあなたが」と訝る人ばかり。長田暁ニさんという音楽の生き字引のような人に、随分歌を知っているね、とおだてられてから、のめり込んだ。一般社団法人心を伝える歌の木を植えよう会を発足させ、日本の歌の活性化を図ろうとしている。ジャーナリストという名刺の肩書きに作詞家、歌手がつけ加わった。