= メロディは正確に! =
「楽譜どおりきっちり歌え!」と厳しいことを言うつもりはありません。歌ってある程度アバウトに楽しめばいいのですから。ただ「私はプロよ!」と言ってお金をもらう人や、今から大きな志をもってチャレンジする人はある程度きちんとして欲しいと思います。つまり、基本オリジナルのメロディをしっかり体に入れて欲しいのです。それから持ち味を出すために個性で崩していくことはあってもいいかと思います。
作詞、作曲家はいろんな思いで作品を練り上げて創作します。言葉のひとつひとつ、一音一音にかなりのこだわりを込めて作り上げることも少なくありません。しかし時々「なんでそこをそう歌うのよ!?」とガクッと来ることも少なくありません。せっかくおいしいセリフを書いたシナリオなのに主役が間違って演ずるようなものなのです。「他はいいけどそこは困るのよ!」みたいなことになって欲しくないところってあります。
全日本こころの歌謡選手権決勝大会で用意されたクミコさん歌唱の「たからもの」という作品の例をご紹介します。最後のフレーズの部分なのですが、「たからもののようです」の「よ」が下まで十分下がりきっていないため「山崎ハコさんのこだわりが出ない!」という例です。
へたくそですが、この違いを私が歌い比べた音源を添付します。(キーは私に合わせてシフトしています。)この場合はまだそれほど気にならない例ですが、今回の1次募集の中にもたくさんこういった「気が付きにくいけど…イマイチの歌になってしまう…」ケースが結構いろんな曲で見受けられました。思わず「どういう耳をしてるんだろう?」と言いたくなるところです。いい耳を持っている人はきちんと作品を聴き分けてメロディを正確に聴き取り自分のものにしていきます。そして「ここは美味しいフレーズだな!」ときちんと受け止めて、うまく歌ってくれます!