= リズムに乗ろう =
いい耳はメロディだけではなくリズムにも敏感です。最近はカラオケで人気のある演歌、歌謡曲でも昔の「ズンチャカチャ」ではなく実はかなりの率で「8ビートや16ビート」ロック風やバラードの「4ビート」などポップス仕立てのアレンジがされています。つまり、いかにこの伴奏のリズムにうまく乗るかということが歌のうまさに強く影響してきます。これまた、それを聴き分ける「耳」が勝負だと思います。
ロックやバラードの伴奏となると、必ずビートと呼ばれる「拍」(手拍子と思っていただいてもOK)のところにアクセントが来ます。そこを強く歌って下さいというアバウトな話ではないのですが、やはりそこをある程度意識した歌い方でないとビートに乗れないと思います。
全日本心の歌謡選手権大会の課題曲の中で小田純平さんが歌った「ワイパーはまだ直さない」という曲があります。この作品は編曲家矢田部正氏によるおしゃれなボサノバっぽいロックアレンジがされていて、純平さんが実に気持ちよくかっこよく歌ってらっしゃいます。しかし、このビートに乗るのは案外難しいのかな?と、多くの応募者のテープを聴いていて感じました。とくにボサノバはセンス良く乗るのが難しいのかも。
まずカッコいいイントロで「お膳立て」がされているのですが、これをいかにしっかり聴き取ってこのテイストを自分の中に入れるかがポイントかなと思います。今回も歌った音源を添付します。最初はわざとビートに乗らず「ベタ」なノリで歌ってみました。次に少しこのリズムを意識して、「拍」にちょこっとアクセントを加えて歌ってみました。(イマイチ歌唱でごめんなさい。伝わることを祈る思いです。)
こうした試みはやはり「耳」が勝負です。小田純平さんのモノマネをするくらいの気持ちでノリを「盗み取る!」くらいしっかり聴き取った人が上手くなっていくきっかけをつかむと信じています。