= あっ VUメーターだ! =
ひとつ見落としていました。このデカいラジカセディスプレイに『VUメーター』が付いていたのです。音声のレベルに合わせて、ピコピコと左から右に針が振れるのです。これが昔流行っていたのですが、このグラミー・ミュージアムではみごとにそれを再現していました。テイラースイフトの歌声や踊りに合わせて、心地よく振れるのです。そして、よーく見ると『JVC』ブランドではないですか!そうなんですね、このディスプレイのために作ったというよりは、昔一世を風靡した日本製の大型ラジカセをそのままかっこよく再現してくれていたのです。その時は面白いアイデアだなと思うもそれほど気に止めていなかったのですが、いま新たなブームの兆しに遭遇して良く見ると、このVUメーターがメカニックではありますが、実にチャーミングなんです。
「ヘッドホンは嫌いだ!」とか「ラジカセのスピーカーで聴くと気持ちが良い」とか書いてきましたが、これまた話が繋がるのですね。少しこじつけかもしれませんが、このラジカセ文化の時代は、実際にコンサートやライブ会場に行けなくとも、ラジカセがステージを作り、心地良い音をスピーカーから直接空気を振動させ、そしてこういったVUメーターがインパクトのある音楽を視覚的にもサポートして楽しませてくれました。まるで、オーディオ再生装置が一人の「人格」をもった装置のようにファンの「愛機」になっていたのだと思います。
CDがまったく売れなくなり、音楽配信もストリーミングも欧米に比べてイマイチ伸びないという日本ですが、ここらで本当に聴衆というファンをどうやって育んで、その中でいい音楽を楽しんでもらうか、ハード、ソフト、ビジネスモデルすべてに大きな課題があります。でも、私はこのラジカセブーム(?)に大きなヒントを感じている一人として、自分なりに音楽ビジネス復興施策を考えたい!と日夜思っています。
前に、21世紀の新たなラジカセを復活させようというプロジェクトを紹介しました。
(MAKUAKE サイトよりhttps://www.makuake.com/project/myway/ )
ここの目指す第1号のセットはシングルスピーカのようですが、ぜひステレオ(2個)スピーカでVUメーターを付けたものも開発してほしいです!