= カセットデッキにもお世話になった! =
VUメーターの話をもう少しだけ。なぜこんなにVUメーターのことが気になるのだろうと考えると、昔の思い出でした。私が音楽家にあこがれて一生懸命好きな歌をエアチェック(FM放送録音のこと)したり、ダビングした時に大活躍したのがカセットデッキだったのです。そして、これだけは一流のものを買おうと思い、当時(たぶん1970年代の中ごろか後半)かなり無理して買ったのが名機TEACA450で、たしか10万円近くした覚えがあります。すっかり忘れていました。
でもTEACさんのサイトを訪ねるとしっかりそのカセットデッキの歴史が紹介されていました。イイですね!。このデッキにどっしりと鎮座していたのがVUメーターだったのです。買った当時は、このメーターの振れがすごく優越感を感じる高級品の証拠のように感じられました。この針の振れを生き物のように感じとりながら、できるだけ大きな音量で録音できるように、そして大きすぎて音が割れないようにと、右側に見えるスライドボリュームで注意深く録音レベルを調節したものです。
そうなんです、このころはまるでレコーディングスタジオ気取りでマニアックに音楽を録音していました。そうしていい音で作った自分のライブラリをポータブルのラジカセで楽しむと使い分けていました。前回も書きましたが、このころはオーディオ装置と音楽とリスナーが一体感を構成していて、スモールワールドの中で「楽しさ、ときめき」が形成されていたと思います。加えて音楽作家としての夢や、チャレンジ精神をしっかり鍛えてくれたといってもいいくらい、一緒に歩んできたような存在でした。「ヘッドホンは嫌いだ!」からスタートしたこのブログの中で一つ言いたいことにもつながります。いまのデジタルオーディ中心の世界にも、何とかしてこのラジカセ時代の「音楽」とそれを愛する「ファン」とを一体化させていたような要素をもう一度作れないかと言う思いです。それは、より新しいアイデアの探求と、こうした歴史の中に秘められているいいものエッセンスを残すミックスモードがいいのではないかと思います。
TEACオフィシャルサイト「The History of Recording & Sound」より