= 音楽を聴くきっかけ! =
ラジカセ、カセットテープの話を書いてきましたが、いよいよ最終回。今日急に思い立って、話題のカセットテープ専門店「Waltz(ワルツ)」に足を運びました。昨年末の朝日新聞での紹介や、ネットニュースで何度か読んでずっと気になっていたお店で、東急東横線・中目黒駅から徒歩10分の住宅街にあります。店長の角田太郎さんともお話させていただいて、写真も撮影させていただいてご紹介することになりました。すでに大変な有名人ですが、アマゾンというネットビジネスの最先端で音楽や映像コンテンツ事業に関わってきた方がカセット専門店と言う全く対照的な世界に転換されてということにとても興味を持ちました。
角田さんはおっしゃいました。結局、ストリーミングなどいつでもどこでも、ただに近い安さでのデジタルサービスによって、「人はかえって音楽を聴かなくなってしまった」と。「背表紙を眺めて、手のひらにのせ、ラジカセにセットすることで、音楽に触れながら聴くというのがいま逆に新鮮な体験になっている」と。
実際のお店を訪れると、大きなウインドで、店の中が丸見えのオープンな感じ。そして中に入ると何とも言えない、音楽に包まれるような「暖かい空間」でした。内外のビンテージもののカセットがぎっしりと品揃えしてあって、何か昔なつかしいレコードショップを巡っていたころの感じを思い出しました。
そして、驚いたのが、訪れるお客さんが若い人ばかり。(角田店長からの「お客さんの撮影はご遠慮ください」により写っていません。)
これらカセットテープが、そしてラジカセがこれからの音楽ビジネスの中心になるのか!?ということは必ずしも言いきれません。コアなファンの間だけの人気かもしれません。しかし、このラジカセ、カセットテープがもたらす音楽の本来の価値、感動は必ずこれからの音楽ビジネスの大きな方向性を示唆する強いシグナルになると信じています。その意味では、いま量販店に並んでいるラジカセはまだその救世主のようなセットではないと感じます。あくまでも、カラオケおじさん、おばさん用に細々売っていたような名残りを感じます。ここらで、「おーイイね!」というラジカセをぜひ発売してほしいと願います。