=CD売るのをあきらめよう ! =
ゴールデンボンバーが「この曲、無料じゃ~!」とテレビ朝日「ミュージックステーション3時間SP」で高らかに宣言したことは、あっと言う間にメディアの話題となりました。「CDってそんなに売れていないんだ!?」「っで、無料配信ってどういう意味?」的な感じも正直かなり多かったと思います。しかし、私は彼らは今の音楽業界の「超氷河期」状態を実に勇気をもって表現してくれたと思います。拍手です。
そしてそうなら、その事実を「逆手」にとって、自分たちだけでも「生き残ろう」という商魂のたくましさは、昨今の倒産しかけの超大企業の経営者たちも学ぶところ大だと言いたいです。
彼等の提示していること(実は歌の歌詞なのですが)を少し深読みしていきたい気持ちになりました。お付き合いください。
「CDが売れないこんな世の中なぜ僕らはCDを出す?…コンポないって家多すぎる」
そうなんですよね。彼らはやはり自分たちが作って、自分たちが演奏・レコーディングした音楽は、いわゆるステレオ・コンポで大音量でスピーカーをドライブし、空気の振動を通じて「ライブ」的に聴いて欲しいんですよね。ラジカセのシリーズで書きましたが、昔はこうして空気の振動が音楽だったんですよ。なので、電気量販店に行って1フロアのほとんどがヘッドフォンとイヤフォンコーナって、ありゃ絶対おかしい! スマホ文化の行き過ぎ現象だと思います。
「CDが売れないのに why?…」「CDの売り上げ全盛期の1/3なのに…」という歌詞も。やはり、ある種日本人特有ですが、パッケージメディアが信用できる「名刺」あるいは、「身分証明書」的でなかなか廃れないステイタスなのかもしれません。確かに、音源配信するため以上の労力をかけて、一つの「CD」や「アルバム」をより完成度の高いものに作り込み、ジャケット共々一つの芸術作品にしていると思います。
音源を無料配信しながらも、そこで登録してくれたファンにはじっくり自分たちの作品を聴いて欲しい、楽しんで欲しいという思いなんだと思います。仮に、10万人のアクセス&登録があってその5%でも「いいなぁ」と思ってくれるファンを作り、そこから次へつなげるということかなと推測します。