前回までお送りした、酒井さんと作った「じいじンゆらぎ」は、くまもと弁のユニークさで予想外の大うけで、とくに酒井さんの固定キャラを打ち破ったことに成功したようだ。こうして歌つくりレシピの巻と称して、「ゆるーい形」でいくつかの作品作りを公開してきたが、そろそろ次のシリーズをどうしようかと考えていた時にお便りがあった。
「このシリーズの『あめりかんどっぐ』からずっと読んで、見て、聴いているがとても面白いし、内容もクォリティが高い。ぜひ自分も歌つくりを学びたいと思った。出来れば作詞から…。」
お声をかけて下さったのは、シンガーソングライターの『佳代』さん。
この「歌つくりレシピ」の愛読者であり、また堀越そのえさんが発信している作詞講座のブログのファンになったことの影響が大きいらしい。
<簡単3分・作詞講座 Vol.18>(堀越そのえ)
https://ameblo.jp/sono1216/entry-12316259899.html
そして、実はこの『佳代』さんも、「じいじンゆらぎ」の酒井さんと同じ、全国で29名委嘱された「こころ歌大使」で、千葉県代表の優秀なボーカリストである。
こころの歌謡選手権決勝大会では、私の作品『金色の蝶』を歌唱されて大活躍であったが、歌も作れるようになりたい、いやもともとシンガーソングライターだったのだが本格的に勉強したい!とおっしゃる。しかも課題曲を通じて、堀越そのえさんの詞が大ファンになり、こういう人の指導を受けたいと切望したそうである。
そうとなれば、彼女達にお声をかけて、次回のブログのシリーズは「私の歌を作ろう!」と言うテーマで、『佳代』さんが堀越さんの指導で詞を作り、それを山田が作曲、編曲する。そして彼女自身が歌うという試みはどうだろうとの企画になった。
さっそく3人で電話会議を行った。便利な時代である。東京都、千葉と仙台でなんと30分もまるで一緒にミーティングをしているようなリアルさである。 スマホはエライ!
そのえ先生は言った,
「まず作品の骨格を決めておいた方が、より説得力のあるものができるので、
テーマを決めて書くのが大事ですね。①作品を書く動機、②作品で表現したいことかな?」
なるほどさすが。
「じゃあ加賀田さん、あなたの等身大の詞を書いたら!」思わず私の投げかけに
「等身大ですか?」と彼女は戸惑った…。
「キレイな恋愛ものなんかじゃなく、今のあなたが気になることとか、むかつくことでもいいんじゃない?」なるほどむかつくか…、さすが作詞家は面白いことをいう。
「わたしィー、はっきり言ってもうあらフォーなんですね。」
「それで、むかつくと言われて気が付いたんですけど、友達なんかと話していても、結婚していなくて、子供がいない女は別の生き物みたいにいうヤツがいるんですよねッー!」
「関係ないだろう、人の勝手じゃんって!」
なるほど、これは面白い。いや失礼。
そのえ先生の作詞講座にも『あなただけにしか書けないフレーズがきっとあるはずです。』とあったが、正にこういうことだと思った。
こんなやりとりで、まずは「テーマストーリ」を作り、そこから最初は1~2行でOKなので、キーフレーズを作り、それにほんの4~8小節のキャッチメロを作る。これをループに何度も繰り返してどんどんドラマを膨らませ、全体を作り上げていくというまさに「歌つくりのレシピ創り」にトライする新しいチームが誕生した。