女優であり歌手である柴咲コウさんが、これまでの“ファンクラブ”という枠組みを進化させ、より身近により密接に相互に関わり合う、つまり共感する仲間のコミュニティを作り上げるための会社を立ち上げ、彼女が自らオーナーシップをとるという新しいエンターテイメントの話を紹介した。
今回は、その続きの話である。
知り合いのカラオケ大会を主催しているあるオーナーから語られた。
「最近はほんとに知らない歌ばっかりみんな歌っている…。人の知らない歌を、新曲を、いち早く歌うことが自分のオリジナルソングのような気分になるらしい」だから、次から次へカラオケファン向けに新曲がリリースされるということらしい。そうか、カラオケ大会の関係者も、この傾向を歓迎はしてないようだ。
しかもカラオケ大会は圧倒的に60歳、70歳代以上の高齢者で、なんか音楽の嗜好がおかしくなっている?感じもする。
時代や、年代を超えて歌い継がれていく名曲が出ない時代になるはずである。
この話と、先に紹介したコミュニティ・ファン作りの話がどこかで繋がるようで気になり、じゃあカラオケ大会じゃなくって、世間一般ではどんな楽曲が好まれているかネット検索をしてみた。
DAM(第一興商)が発表している2017年上半期のトップ10曲が次の通りである。
【DAMカラオケ 上期人気トップ10】
- 恋(星野源)2016
- 前前前世〈movie ver.〉(RADWIMPS)2016
- 糸 (中島みゆき)1992
- 奏〈かなで〉(スキマスイッチ)2004
- 海の声 浦島太郎(桐谷健太) 2015
- ひまわりの約束(秦 基博)2015
- キセキ(GReeeeN)2008
- 3月9日 (レミオロメン) 2005
- ハナミズキ(一青窈) 2004
- 小さな恋のうた(MONGOL800)2001
「DAM2017年上半期カラオケランキング」
1位は、星野源の「恋」、ご存じTBSテレビドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」の主題歌として人気が沸騰したことは記憶に新しい。また、2位の、RADWIMPSの「前前前世」も映画『君の名は。』の主題歌に起用され、映画とともに大ヒットした作品である。
どちらも、人気のドラマや、映画といわゆる「タイアップ」をした作品で、挿入歌としてヒットしたのは間違いない。
しかし、このランキングを良く眺めているといろいろなことがわかってくる。
・いわゆるカラオケ大会で歌われている新曲は全くない。
・以外に古い曲が多い、10年~15年前にリリースした楽曲が60%もある
・ドラマ、映画やCMとのタイアップ曲に人気
どうやら、いい作品は歌い継がれるということがなくなっているようではない。
また、映画やドラマとタイアップした作品の人気があるが、「恋ダンス」や「前前前世」の広がり方を見ているとしっかりファンを捕まえていて、前にも書いた共感する仲間のコミュニティを作る話にもなにか深く関係しているような気がしてきた。
残念ながら?この話の中のどこにもカラオケ用新曲は出てこない。
興味深い内容なので、次号もう少し掘り下げてみてみたい。