前回「エコシステム」は何も大げさに考えなくとも小さなコミュニティでもスタートはできるということを書いた。加えて、メジャーレーベルからCDをリリースし、カラオケに楽曲が配信されることだけが自分の音楽活動のスタートではなく、その方法の一つとして「創作コミュニティ」をベースにプロモーションを自ら行った方が良いとも紹介した。
これを「エコシステム」として説明したが、やはりまだまだ分かりにくいという質問が多かった。
私はこれを自ら実践するつもりでいくつかの小さなグループ、創作チーム作りを手掛けてきたつもりである。
その一つが「あめりかんどっぐ」プロジェクトであった。
まず、コンビニの店長今井さんが、ご自分の店で毎日売っている「アメリカンドッグ」のイラストを描き、それに「あめりかんどっぐ」という実にユニークな詞を作った。
そのイラストに合わせて、粘土作家のなかもとゆきさんが「あめりかんどっぐ粘土人形」を作った。
この超かわいい出来栄えに一目ぼれし、それを受け止めて山田がメロディを付けて歌にした。
そして、歌が出来てから、詞を手直ししたり、動画向けのイラストを作成したり、実際に今井さんのコンビニに出かけてビデオ撮影や、写真撮影を行った。
その間何度もチームで作っては話し合い、みんなで内容を検討しながらの創作チームの仕事としてチャレンジした。
その結果出来上がったのがすでに紹介した「あめりかんどっぐ」の動画配信コンテンツである。
動画はこちら
歌つくりレシピの巻(30)【あめりかんどっぐ おしまい! 】
こうしてみんなが寄り集まり、「体感、共感、共有」中でそれを育てていく創作チームは、「エコシステム」を目指す音楽ビジネスについてかなり基礎的ではあるが、「人に何を訴えていくか」そしてどうやって「ファン」を作るか。その先に自分たちだけの“コミュニティ的なファンクラブ”に育てていくかという目標に対してとても有益なスタートであると信じている。
いきなり、映画「君の名は。」とそのテーマ曲「前前前世」を歌った「RADWIMPS」のようにはいかなくとも、少なくても一方的に前時代的にCDを売るだけの徒労よりかなりいろいろなことを学べ、多くの人たちと交流できるきっかけが増えると思う。
なによりみんなが持っているスマホを見て、「検索してみて下さい!」と言う方がCDを押し売りするよりよっぽどましである。
また、これは、若い人向けのポップスだけではなく、演歌でも、歌謡曲でも同じで、みんなチャレンジすればいいと思う。
ただし、間違ってはいけないのは、単純にカラオケで歌っている動画をYOU TUBEにアップするだけという安易な方法ではない。しかも、カラオケ歌唱の動画アップも今では違法で禁じられている。
つまり、これからのアーティストは自らが起業家となってオーナシップを持ち、ファンを増やすためのアイデアを自分でどう作り出していくかである。
繰り返すが、苦手なことは高校生や大学生あるいは家族に助けてもらって、YOU TUBEという動画配信やインスタに素敵な写真をアップして、多くのファンを獲得することである。
つまり、何も大げさに考えなくともこの「エコシステム」はみんなの周りの小さなコミュニティで、サポータチームを作ることである。
ただし、コンテンツ(作詞、作曲、編曲、歌)はいいものを作らないと誰も振り向かないのは言うまでもない。