田勢康弘のブログ

香川高松恋物語 〜四国新聞「愛しき日本」より 2018年8月14日〜


四国新聞「愛しき日本」より 2018年8月14日

四国新聞の記事はこちら

https://www.shikoku-np.co.jp/feature/tase_column/20180814.htm

香川高松恋物語

作詞 田勢康弘
作曲 山田ゆうすけ
編曲 杉山直樹
歌  木村八重美

 

あれは高松 百間町(ひゃくけんまち)

添い遂げますよう

天神さんに 願掛けた

二つの蝶が 縺(もつれ)れ合い

空に昇った 名残の春

しあわせにするからね

あなたは私の 背中を

抱いたのよ

 

そこは男木島(おぎじま)あの灯台よ

捨てたら 殺すわ

本気で首に手を回す

男と女抱き合って

海に浮かんだ雌雄の島

あの世まで連れてって

私はあなたの小指を

噛んだのよ

 

これは高松 恋物語

炎の男火

女の胸を恋焦がす

燃ゆる業火(ごうか)の焔(ほむら)は赤く

誰も消せない魂の火

忘れ得ぬ一年(ひととせ)は

命を刻んだ夢の

海原よ

高松でライブをやるんだから、地元の人がえっ?と思うような歌を作ろう、と考えた。私が作って歌って一日で消える。そういう歌のつもりだった。
「香川高松恋物語」。これまで10曲ばかり作詞してきたが、いつかは「恋物語」を地名の後につける歌を書こうと思っていた。初めは私の先祖が400年ほど前、東北からやってきたといわれる土地にちなんで宇和島恋物語になるはずだった。

なぜ讃岐じゃなくて香川なのかと何回も訊かれた。はっきりした理由はないけど、讃岐とするつもりはなかった。どこにでもあるご当地ソングにしたくなかったのだ。だから、それほど有名ではない場所を歌に入れようと考えた。
若いころ政治記者として大平正芳さん担当だったことから、香川県にはたぶん30回ぐらいは来ているはずだ。2箇所はどうしてもはずせなかった。最初は憧れの女性がいるところ。百間町である。中学、高校と卓球少年だった私は、のちに世界チャンピオンになる深津尚子さんに憧れた。私ばかりか、あの時代の卓球少年すべての憧れだった。その女性が百間町にある料亭「二蝶」の大女将の徳永尚子さんである。数年前、お目にかかりたくて二蝶を訪問、年甲斐もなく胸のときめくのを覚えた。「二つの蝶が縺れ合い空に昇った」の下りは二蝶で見せていただいた掛け軸の図柄である。誤解する向きがないように申し上げるが、この歌は私が勝手に作ったもので、二蝶さんの意向とは無関係である。

うまい具合に百間町の端っこに天神さんがあった。露地の突き当りに慎ましやかに存在している。

次にこだわったのは男木島の灯台。昔「喜びも悲しみも幾年月」という映画で見た。男木島と女木島、雌雄の島というらしいが、男と女の歌を書くには持ってこいだ。港に立って海を眺めていたら、女木島、男木島行きのフェリーが出るところだったので飛び乗った。
半分近く中国語の観光客だった。男木島で降りてタクシーを探した。ない、のである。あのー、灯台に行くには、と船の関係者らしき人に訊いたら、歩きか電動自転車だという。歩きはつらそうなので電動自転車を申し込んだ。これなら海を見下ろしながらすいすい。30メートルほど走ってすぐに気がついた。電動自転車に乗るのは初めてだった。自転車のように自由にならない。しかもめざす灯台は最初から斜度15度はありそうな急斜面だ。サドルに腰を掛けて思い切りふかしながらペダルを漕ぐが、引力のほうが優っていて、自転車は後ろへ下がるだけ。

半分は手で押しながら山道を登り、途中で意を決して灯台まで電動の力で進もうとした。道の幅は2メートルほどしかなく砂利道である。あっと思う間に自転車ごと左に倒れた。左側は下が海で切り立った崖だった。左足と顔はほとんど崖の部分にあった。手足と顔を擦りむいたが、落下は免れた。返却のとき受付のおばさんが「さっき言うのを忘れたけど、先月、自転車ごと海まで落ちて大騒ぎになった人がいたんだけど、よかったですね、無事で」と事もなげに言った。

苦労して出来た歌で、評判もいいので、私たちの「全日本こころの歌謡選手権」の第3回の課題曲の1つとして歌い継がれることになった。この歌を誰が歌うか。第1回大会の決勝進出者(こころ歌大使)限定でオーデションした結果、丸亀市の木村八重美さん歌うことになった。8月5日、東京で海上自衛隊東京音楽隊の伴奏で木村さんが歌った。作詞者の自分が考えていたより何倍もいい歌になった。
間奏に金毘羅船々のメロディを入れたのは編曲の杉山直樹さんである。

海上自衛隊東京音楽隊の伴奏で歌う木村八重美さん

LINEで友達になって最新情報をGET!

第2回 全日本こころの歌謡選手権 決勝大会 結果発表

【第1回「こころ歌」作詞/作曲コンテスト】採用作品歌唱歌手決定!